top of page

長屋門

ながやもん

この長屋門は、江戸時代に秋谷の名主をつとめていた若命(わかめい)家が、村の最有力者として長屋門を構えることを許されて建造したものです。現在横須賀市民文化資産に指定されています。3年前に若命家では横須賀市と地域住民の協力を得て大掛かりな修復工事を行い、奇麗な甍と美しいなまこ壁が甦りました。この門は、今も若命さんの家の表門として現役で使われています。
 
この長屋門は幕末のころの建造と伝えられ、門の左手に納屋と米倉、右手に長屋(室)があるもので、漆喰造りで、腰の部分が平瓦のなまこ壁となっています。 扉は欅材で柿渋塗りの重みのあるもので、この大扉は今でもめったに開くことはないそうです。通常は、切戸と呼ばれる通用口があってそこを出入りします。屋根はもともとは茅葺でした。関東大震災後の修理で瓦葺となっています。

明治41年に、当時逗子に滞在していた泉鏡花が「草迷宮」
という物語を著していますが、この物語の舞台は秋谷村で、主人公の青年が逗留する屋敷は黒門と称する村の庄屋の別宅になっています。泉鏡花の作品研究家のあいだでは、この若命家長屋門が作品中の屋敷(黒門)のモデルであるとされています。

現在の長屋門の様子

泉鏡花「草迷宮」を読みたい方はこちら

修復の様子

修復前の長屋門の様子

bottom of page