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おおくすエコ
ミュージアムの会とは

大楠は、横須賀市の西海岸にあります。海と山の豊かな自然環境に恵まれた古い歴史をもつ地域です。

 

この地域の海は相模湾に面していて、伊豆大島・伊豆半島そして富士山から丹沢山塊までを臨むことができ、その美しさは安藤広重の絵にも描かれています。 富士山をシルエットで映し出す夕陽の美しさは格別で、昔からその景色を求めて多くの人たちが訪れています。首都圏から近いところにあって自然海岸が残されたこの地域の海では、海水浴や釣りなどの海の遊びも手軽に満喫できます。

 

海から一歩入ると、もうそこは大楠山の麓です。前田川の清流に沿った気持ちの良い遊歩道を辿りながら大楠山へのハイキングコースを楽しむことができます。大楠山は242m足らずの山ですが三浦半島の最高峰で、横須賀市内の各方面へ出られるハイキングコースが整備されています。大楠山から拡がる裾野は複雑で、豊かな自然環境が残されているので気軽に野鳥観察や植物観察が楽しめます。

 

 

この地域は縄文時代の古い出土品も多く、ここに暮らす人々の営みは長い歴史のあるものです。横須賀市の市民資産に指定された建造物や、古い民家なども残っていて、今でも人々の暮らしの中で現役で活用されています。古道に見られる庚申塔などからは、昔の人々の息遣いを偲ぶことができます。大楠の地域にはいくつかの集落があって、それぞれの集落に伝承された風習やお祭りなどは、今でも大切に守られて伝えられています。

 

 

「おおくすエコミュージアムの会」は、こうした自然、歴史、文化、そして人の営みまでをも大切な財産ととらえ、ちょうど博物館が貴重な財産を展示して学習材料にしているように、大楠地域を屋根のない博物館と見立てて、それらの地域の貴重な財産から多くを学び、この財産を良いかたちで次世代に継承していくことを目的にさまざまな活動をしている会です。例えば、大楠山の樹木の名札つけ、前田川の生きもの観察、子どもたちのシーカヤック体験教室、地域に残る国指定文化財の運慶仏の紹介ガイド、古い建物の保存を呼びかける催し、歴史探訪や自然観察に取り組みながらのエコツアーなど、さまざまな活動を行なっています。

【エコミュージアム】とは

[エコミュージアム]という言葉は、1960年代末に急激な都市化と農村の過疎化が加速したフランスで誕生しました。全世界で同時多発的に起こったこのような地域に根ざしたミュージアム活動は、都市と農村との関係や良好なバランス、地域環境や文化を考え直すきっかけとなりました。
特に、教育・文化面では、都市に集中している大きな博物館・美術館を見直す機運を生み、将来の子どもたちへ伝承するための環境遺産の保全意識などとも連動して、地方にある自然環境や生活文化・歴史などの文化的価値を再認識する動きとなり、そこに[エコミュージアム]の理念が結晶しました。
それは、各地域にある自然環境・人々の暮らし・歴史などを博物館や美術館に展示されている貴重な資料・財産ととらえて、従来の『博物館』という建物の中に押し込める方法ではなく、地域全体を『屋根のない博物館』と考えて、地域住民自らが、訪ねてくる人たちに地域の文化を紹介し、体験を共有し、共に学び合い、それらの財産を保全し、活かしながら次世代に伝承していくという理念です。

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